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試合で実力を発揮するには

なかなか試合で実力を出せなくて・・・・・


  こういう悩みの人って、結構多いと思います。


  ・試合になると、どうも緊張しちゃって・・・
  ・勝たなくてはいけないという気持ちが強すぎて・・・
  ・あがってしまって、ワケが分からなくなってしまった・・・

  などなど。


  でも、・・・・・

  実は、それって普通です。特別なことではありません。

  決してあなただけではないのです。誰にでもあることなンです。

  そう思いますよ。



  チョット恥ずかしい話ですが、私は25年も卓球をやってきたのに、
  今でも試合になると緊張します。
  自分でも情けなくなるくらい、肝っ玉が小さいと言うか・・・・・


  一言で言うと、デリケートなんですね。 ← 笑


  ま、そういうことにしておいて下さい。 (^^;



  試合を通じて懇意になった人たちにその辺りを聞いてみると、
  試合で全然緊張しない人も、確かにいました。


  しかし、私の住んでいる清水地区で何度も優勝しているY選手などは
  「イヤ、緊張した。やっと勝てた。ヒヤヒヤものだった。」
  と一回戦の後によく言っています。


  スコアを見ると楽勝で、ポーカーフェースなY選手は、
  とても緊張している様には見えません。


  卓球の選手の中には、よく三味線を弾く(ハッタリを言う)人も
  いますが、Y選手はその様なタイプではないので、多分彼の言う通り、
  本当に緊張しているのでしょう。


  長年卓球を続けてきた人でさえ緊張するのですから、
  卓球を始めて数年のキャリアの人が緊張するのは、
  ある意味、当たり前ですよね。


  少し、気が楽になりましたか? (^^;



  ・・・・・

  どうすれば「あがり」を克服し、平常心でプレーできる様になるか?
  そして、試合で実力を発揮できるようになるのか?


  恥ずかしながら、私が実践した方法をご紹介します。 (^^;


  まず高校生(初級者)の時やったことは、
  とにかく「声を出す」ことと「足を動かす」ことでした。


  緊張すると足が止まると教えられていたので、
  意識的に足を動かすようにしていました。


  そして1本ずつ得点をした時に「ヨーシ!」と声を出すようにしました。


  思えば、本当にうるさい選手でしたね。(笑)


  足を動かして声を出していると、何と言うか、自己陶酔の様な状態になり、
  いつの間にか緊張を忘れていました。



  次に大学生(中級者レベル?)の頃にやったことは、
  「強い人と練習試合をする」ということでした。


  どれくらい強い人かと言うと、「とんでもなく強い人」です。
  半端に強い人でなくて、めちゃくちゃ強い人でないと意味がありません。
  と言うのは、これはある意味「ショック療法」だからです。


  少し長くなりますが、以下にその時のエピソードを紹介しますね。


  OBUが大学生の時、最も目標にしていた試合が東海学生リーグでした。
  大相撲で有名な愛知県体育館で行われる(当時)団体戦で、
  1部~6部まであり、各部が6大学の総当り戦です。


  とにかくリーグ戦は、お互いの応援が「ものスゴイ」のです。
  1本ごとにワッショイ、ワッショイの、まるでお祭りの様な騒々しさです。


  そんな一種異様な雰囲気の中で試合をするのですから、
  普通の神経の人ならば、平常心でいられるワケがありませんでした。
  対戦相手がものすごく強い選手に思えたものです。


  特にOBUの様なカットマンは、団体戦のラストに起用されることが多く、
  勝てばチームの勝利、負ければチームの敗退というプレッシャーが
  かかる試合が多かったです。
  応援合戦のボルテージも最高潮で、顔面蒼白になるくらい緊張しました。


  相手も緊張して顔面蒼白でしたが。 (^^;


  そういう試合が3日間続くワケです。
  リーグ戦の後は、よく応援で声が嗄れました。 ← 笑


  メインの体育館のとなりに、小体育館があって練習用の卓球台が
  置いてありました。試合前の選手が調整したりできるのです。


  その練習会場に、なんと西飯徳康さんが練習しておられたのです。
  ご自身が練習していたのではなく、1部校の有望な選手のコーチを
  しておられたのだと思います。


  西飯さんと言えば、伊藤繁雄さんや長谷川信彦さんの時代の人で、
  世界選手権の日本代表にまでなった、卓球界では有名な方です。


  ちなみに、娘さんの美幸さん由香さんペアは、全日本ダブルスで、
  3度チャンピオンになっています。
  3連覇した時の涙の優勝インタビューは、感動ものでした。(^^)


  横でしばらく、西飯さんの試合の様子を見せて頂いたのですが、
  唸る様なドライブボールが台を挟んで飛び交うのです。
  そして確実に西飯さんのボールの威力が勝って、ポイントを重ねるのです。


  「た、卓球(のレベル)が違う・・・・・」


  私達もリーグ戦に向けて合宿などをこなし、それなりに練習を重ねて
  自信もつけて来たはずなのですが、西飯さんの卓球の前では、
  私達の卓球など「羽根突き」レベルでした。 ← あ、ソ~レ♪カコン!


  私は、頃合いを見計らって、西飯さんに練習試合を申し込んだのです。
  若さゆえの暴走というか、あまりにも怖いもの知らずでしたね。(笑)


  「れ、練習試合を・・、お、お願いしたいのですが(汗)」

  「ああ、ええよ」


  ぶっきら棒な言い方でしたが、気さくに西飯さんは承諾してくれました。


  そして試合開始。


  私の変化サーブは、全て見切られていました。
  私がどのコースへどんな種類の回転のサーブを出しても、
  左ペンドライブ型の西飯さんは、ススッと動いて全てレシーブから
  フォアハンドの強烈なドライブで返球してきました。


  そんなボールをレシーブから打たれた日には、返すどころか、
  ラケットに当てるのにもままならない感じでした。


  そして試合終了。もちろん完敗。


  当時は1セット21本マッチでしたが、1セット目は1点、
  2セット目は4点というスコアだったと思います。
  とにかく実力の差を思い知る結果になりました。


  試合後に西飯さんからアドバイスを頂きました。

  「あんたのサーブは、2バウンド目でちょうど台から出るくらいの
   長さや。この長さはドライブ型にとって一番(ドライブが)かけ
   やすい長さやねん。」

  「相手に(レシーブを)つっつかせたかったら、
   台上で最低2バウンド以上する(短い)サーブを出さないかんわ。
   ナックルでもええから、ネット際に(第一バウンドを)落とすんよ。」

  「ほら、こんな感じで。やってみい。」


  こうして数分間、短いナックルサーブを教わりました。


  「あ、ありがとうございました!」

  「まあ、試合、頑張りや。」

  「は、はい、頑張ります。(大汗)」



  小体育館から戻り、しばらくして、試合で自分の出番になりました。


  試合前のフォア打ちを終え、ベンチに帰って最後の作戦タイムです。

  私  :「相手の選手、強そうだな・・・」

  後輩A:「何言ってンですか、OBUさん!
       西飯さんに比べれば、全然大したことないスよ。」

  私  :「そ、そうだな。」


  その後輩の言う通りでした。


  対戦相手は、確かにいいボールを打ちましたが、
  ボールの威力も確実性も、西飯さんに比べれば雲泥の差でした。


  「大したことない。これなら取れる。」


  試合中に素直にそう思うことが出来ましたし、本当にその通りになって、
  私はその試合に勝つことが出来ました。


  開き直ることが出来たのだと思います。


  西飯さんと試合をしていなかったら、どうなっていたでしょう。
  多分、私はビビッて実力を出せないで終わっていたことでしょう。
  もしかしたら、試合も負けていたかも知れません。


  「勝つとも思わない、負けるとも思わない、ただ1本に集中する。
   本当にレベルの高い人からすれば、相手も自分も大したことはない。
   しかし、だからこそ正々堂々と自分の卓球をすればよいのだ。」


  試合をやりながら、そんな気持ちになっていました。


  今から思えば、自分が「一皮剥けた」瞬間だったのかも知れません。




  西飯さん、本当にありがとうございました。

  私の事など全然記憶に無いとは思いますが、まだ自分も若かったあの当時に
  西飯さんに試合をして頂いたお陰で、私は精神的に随分成長できたのです。

  この場を借りまして、御礼を申し上げます。



  では、今号のまとめです。

☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

1.試合で緊張して実力が発揮できないのは、誰にでもあることである。
2.成長していく過程で、自分なりの「あがり」克服法を会得すればよい。
3.試合ですごく強い(と感じる)選手と対戦することがある。
   しかし、普段からもっと強い選手と練習していたら、
   試合に臨む心境も随分違ったものになるはずである。

☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆


  実はこの「ショック療法」を、私は今でも実践しているンです。

  恥ずかしいから内緒ですよ。ナ・イ・ショ!(笑)



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  次号もお楽しみに!



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   読者さんからの声
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  今回は現役高校生の、Lucifel さんからのお便りです。
  前号の「実力をどう捉えるか」の感想を頂きました。

  >ども。Lucifelと言います。実力をどう捉えるか 読ませていただき
  >ました。
  >自分は高校生で、中学から卓球を続けています。
  >いままで、うちは弱小高校だからいきなり強い人とあたって潰されても
  > しかたないと思ってましたが、今回拝見させていただき、自分でも
  > がんばれば勝てる可能性があるといった希望が多少生まれました。
  >これからも精進したいと思います。
  >OBU様もがんばってください(☆ゝω・)b

  そうです。
  最初からあきらめてちゃ、勝てっこないですよね。
  Lucifel さんが頑張れば、勝てる可能性がきっとありますよ。(^^)v
 
  対戦しそうな人の試合をよく観て、徹底的に研究すると良いです。
  シード選手と言えど、どこかに必ず弱点があるはずです。
 
  そこに、Lucifel さんの長所をぶつけるのです。
 
  高校生の試合は、精神面で大きく左右されます。
  また普段から精進していないと、いざという時に力を発揮できません。
  いかに集中した選手生活を送るか、にかかっていると思います。
 
  是非、トライしてみてください。

  ちなみに私も弱小高校でした。 (^^;


●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
   編集後記
○─────────────────────────────────○

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  今年のGWは、旧友が2人、尋ねてきました。

  10年ぶりに再会した親友のYと、大学時代の後輩のT郎くんです。

  最初は会話がぎこちなかったけれど、すぐに打ち解け、深夜まで
  色々話し込んでしまいました。

  それぞれ1泊2日と短い時間でしたが、卓球を楽しみ、酒を飲み、
  とてもリラックスできて楽しかったです。

  たまに昔の友に会うのは、人生の楽しみの一つですね。ってか? (^^;


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