Menu:

Info:


上のプルダウンメニューからお好きなコラムのバックナンバーを閲覧できます。

卓球に一番大事なもの

少し間が開いてしまったのですが、前号のスイートスポットの話は
いかがでしたでしょうか。あなたがラケットを握ったときに、是非、
思い出して実践してくださいね。大事なことですので。(^^)


今号も卓球のテクニック系の話をしますね。


中国の代表選手として世界選手権3位の実績のある陳竜燦選手は、
一時期、静岡に滞在していたことがありました。
その陳選手に、知り合いが尋ねました。

「陳さん、『卓球に一番大事なこと』って何だと思いますか?」

少し考えて、陳さんは日本語でこう答えました。
「・・・判断!」


ネットを挟んでやるスポーツは、テニス、バレーボール、バドミントン、
そして卓球といろいろあります。
でも、コース、スピード、回転の3つの要素でこれらスポーツを比較した
場合、卓球ほど回転の要素の多いスポーツはありません。


また卓球のこの特徴が、ラリーが続かない、観客が見ていて分かりづらい
などの、卓球が一般ウケしない一面に繋がっています。(少し残念!)


回転には様々な種類があります。ドライブ(前進回転)、カット(後退
回転)、横回転、それらの組合わせの斜め回転、そしてナックル(無回転)
です。遠目にはどれくらいの回転量なのかまでは分かりませんね。(^^;


愛ちゃんが試合のヤマ場で使って有名になった「王子サーブ」も、
ボールを高く投げ上げて落ちてくる速度を利用して、またしゃがみ込む
ので身体全体を利用して、ボールに強く回転をかけるワケです。


サーブだけでなくラリーの間も、「どれくらいの(回転量)のボールが、
どのコースにどれくらいのスピードで飛んでくるか」を常に判断しなくては
なりません。


そして「これはこういうボールだ。だからこうするのだ。」と自分の打法を
決めていかなくてはなりません。
しかも相手との距離が3mくらいですから、コンマ数秒の世界ですね。(^^)


陳選手の言葉通り、本当に瞬時の「判断」が求められる世界です。


しかし、これは一球一球考えている余裕はありません。


従って“予測”が重要になってきます。
相手のクセとか、心理状態を読むワケですね。
こういう状況の時は相手は必ずこのコースへ打ってくるとか・・・(笑)


こちらとしては、出来るだけこちらの心理や作戦を読ませない。
結構、演技力が大事なンですね。(笑)
ワザと無表情を装ったりして・・・(^^)


相手との距離が近いので、表情や態度に出る人はすぐにバレちゃいます。
卓球には色々な心理的な駆け引きがあるのです。
この辺りの話は面白いので、次号以降で詳しくお話しますね。


国際卓球連盟の会長を務めた、故荻村伊智朗氏は
「卓球は100m走をしならがチェスをする様なもの」
と表現しました。ナルホド・・・です!




さて、色々な回転のボールを瞬時に「判断」しなくてはならないのですが、
それを支えているものは“動体視力”です。


もしボールが人よりもゆっくり見ることが出来れば、それだけ判断する
時間がありますし、早くて手が出せなかったボールも取れるようになり
ます。また、どんな回転がかかっているかを見破ることさえも出来る様に
なります。


この“動体視力”、実は後天的に鍛えることが出来るンです。


例えばあなたが高速道路を車で走っていて、料金所を通るために減速させた
とき、まだ60~80kmぐらいのスピードが出ていても、体感的には
20~40kmぐらいに感じられ、周りの標識もゆっくりと見ることが
出来ますよね。(とっても不思議!)


あれは高速道路のスピードの世界に目が慣れているから、それがしばらく
続くらしいのですね。(ふむふむ、納得)


と言う事は、普段から速いものを見慣れていれば、ある程度のレベルなら
自然と“動体視力”を向上させることが可能なはずですよね。


簡単なトレーニング方法を紹介します。


もしあなたが電車で通勤・通学をされているのなら、電車の窓に流れる
景色を目で追うのです。通過する駅名を読み取るなどすれば効果的ですね。
ついでにつり革につかまりながら踵を浮かすと良いトレーニングになり
ます。やり過ぎるとふくらはぎがつりますが。 ←経験者は語る。(笑)


OBUが高校のときによくやっていたのは“壁打ち”です。
これは師匠に言われて始めた練習方法ですが、弾みが一定の壁に向かって
ダイレクトでボールをポコンポコンと打つ練習です。


最初は頭より上の高さでフォアとバック100球ずつ打ちます。クリア
できたら、今度は頭の高さ、次は胸の高さ、と言う様に徐々に高さを下げ
て行きます。高さを下げれば、ボールの軌跡は放物線から直線に近くなり、
それに従って、当然ボールのスピードも上がります。


このボールを、しっかり首を回して(正面で捉えながら)目で追うのです。


壁打ちは感覚練習の狙いもあり、ちょうど入射角と反射角の関係で、ヘンな
角度で壁に当たればその角度で返ってきます。これを調整するワケです。
この練習を続けるとボールコントロールが抜群に良くなります。


相手がいなくても一人で出来る練習です。
ま、強いて挙げれば壁が練習相手ですかね。

随分、無口で、おまけに無表情な練習相手ですけど・・ネ!(笑)



では、今号のまとめです。

☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

1.卓球で一番大事なものは瞬時の「判断」である。
2.判断を支えるものは“動体視力”で、後天的に鍛えることが出来る。
3.“動体視力”を鍛えるのなら「壁打ち」練習がおススメ。

☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆



※この内容についての「ご意見・ご感想・ご質問」は、
ぜひ、下記のアドレスまでご連絡ください。
↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓ 
mailto:info@e3-pingpong.com


次号は必殺サーブ!の話です。次号もお楽しみに!





裏編集後記

渋谷選手は、卓球に一番大事な事は?という質問にこう答えていました。
「卓球が大好きであること、大好きな卓球ができる喜びを感じること」

その通りですよね。

時間が無くて卓球が出来ない人、身体に障害があって思う様に卓球が
出来ない人、あるいは自然災害や紛争に巻き込まれて卓球どころでは
ない人だって世の中にはいます。

それなのに、ああ、それなのに、それなのに、・・!

何たる不思議、何たる奇蹟!私はピンピン生きています。(笑)

そして、筋肉痛になるぐらい、大好きな卓球ができるンです。
さらにこうして卓球の魅力を伝えるメルマガを出すことが出来るのです。

これを「幸せ」と呼ばずになんと呼ぶんでしょう!

ありがたいことですね。
これも読者のみなさんのお陰なんですね。

読者の皆さん、どうもありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします。 m(_ _)m